9月の三連休に、長野県へ行く用事ができました。
せっかく長野まで出かけるのだから、用事が終わったあとにどこかへ寄り道できないかと調べていたところ、9月13日と16日に信州まつもと空港から韓国・清州(チョンジュ)空港へ、韓国の航空会社「エアロK」のチャーター便が運航されるというニュースを発見。
さらに調べてみると、チャーター便でありながら個人でも片道チケットの購入が可能だということが分かりました。
普段は国際線の発着がない信州まつもと空港から海外へ飛べる機会なんて、そうそうありません。それに、9月16日なら日程もばっちり合う……ということで、この飛行機に乗って清州へ行くことに決めました。
長野県へ出かけ、その足で韓国に立ち寄ってから帰宅するという、ちょっと変わった帰宅旅の始まりです。

旅のスタートは国宝・松本城。
本当は立ち寄ってじっくり見学したかったのですが、開館時間は8:30〜17:00。城内を見ていると空港行きのバスに間に合わなくなってしまうため、今回はパスすることにしました。

松本城から歩いて20分ほどの場所にある、松本バスターミナルにやってきました。
ここはJR松本駅の正面にあり、駅から徒歩5分ほど。JRからの乗り換えも非常に便利な立地です。
松本空港は「信州まつもと空港」という愛称が付けられており、バスターミナルの行き先案内もその名称で表示されていました。

信州まつもと空港行きのバスはエアポートシャトルの「直行」と一般路線バスの「各停」2種類あります。

「直行」は高速バスなどで使われるタイプのバスが使用されます。

「各停」は普通の路線バスタイプです。
運賃は「直行」が800円で「各停」が570円と230円も違います。
空港までの所要時間とバスのタイプの違いで値段差があるようです。

9時15分発の「各停」バスに乗って、空港へ向かいます。
5分後にはエアポートシャトルも出発しますが、到着予定時刻は同じとのことだったので、今回は運賃の安いほうを選びました。
同じように考えている人が多いのか、乗り場には空港へ向かうと思われる人たちが、けっこう並んでいます。
5分後に出るエアポートシャトルに乗るのは、荷物が多い人などに限られるのかもしれませんね。

出発時刻の2分前にバスがやってきたので、さっそく乗車します。
車内に立ち客はいないものの、座席はほぼ埋まっている印象。
とはいえ、僕も含めて2人掛けの席に1人で座っている人がほとんどだったので、実際の乗客数は15人ほどといったところでしょうか。
平日の午前中という時間帯を考えると、路線バスとしては意外と利用者が多いほうなのかもしれません。
9時15分、バスは時刻どおりにターミナルを出発。
駅周辺の市街地を抜け、空港方面へと住宅街の中を進んでいきます。
途中の停留所でも乗り降りがあり、ほとんどが空港利用客だと思っていたので、少し意外でした。

9時50分、バスは時刻表どおりに松本空港へ到着しました。
松本空港を利用するのは今回が初めてですが、先月使った米子空港よりも、さらにコンパクトなターミナルという印象です。


松本空港は標高657mに位置しており、日本の空港の中でも最も標高が高い空港です。
発着している定期便は、FDA(フジドリームエアラインズ)の国内線のみ。
夏ダイヤ期間中は、札幌(新千歳)1便、札幌(丘珠)1便、神戸2便、福岡2便の計6便が運航されています(夏の繁忙期のみ、JACの伊丹便が設定されています)。
搭乗手続き開始までは少し時間があったので、ターミナル内を見て回ることにしました。
お土産店は1階と2階にそれぞれ1か所ずつ。
特徴的なのは、アウトドア用のガスカートリッジが販売されていることです。
登山客の利用が多い、信州まつもと空港ならではの商品ですね。
レストランは2階に1店舗。
ラウンジはありませんが、有料の待合室(1時間500円)が用意されています。
さらに、無料で利用できるビジネスブースもあり、フリーWi-Fiも完備。
パソコン作業をするには十分な環境が整っていそうです。

チェックインの時間になったので、エアロKのカウンターへ向かってみると……なんと、チェックインカウンターは長机を並べただけの、超簡易仕様でした。
定期便の運航がない松本空港なので、どうやってチェックインするのか気になっていたのですが、ここまで簡易的だとは思いませんでした。
パソコンはオンラインに接続されているようで、手続き自体はオンラインで行われている様子。
搭乗券は発券機がないため、事前に自分で印刷したものを、パスポートの名前と照合して受け取る形です。
搭乗してからわかりましたが、このフライトの乗客数は60人ほど。
なるほど、これくらいの人数なら、こんな簡易的なチェックインでも十分対応できるのですね。
まさに初体験のチェックインでした。
搭乗券を手にすると、ちょうど清州からの到着便が着陸する時間。
展望ロビーに上がって、到着便の様子を見てみることにしました。
展望ロビーに上がると、ちょうど清州からのエアロKが着陸してくるところでした。
普段はFDAのエンブラエル機しか発着していない空港なので、韓国からのエアバス機の着陸はとても珍しい光景。
滑走路のそばの公園には、着陸の瞬間を見ようと多くの見学者が集まっていました。

着陸後ゲートへ移動中、滑走路が空くのを待っているFDA233便神戸行きが待機していて、FDAとエアロKがすれ違うという光景も見ることができました。
出国手続きに向かいます。
国内線専用の松本空港で「出国手続きはどうやって行うのだろう?」と思っていましたが、保安検査を終えた先に、出国手続き用のブースがありました。
一応ブースにはなっているものの、配線が床を這っていたりと、このためだけに作られた簡易的な造りなのは一目瞭然です。
審査官の方も、普段は松本にはいないはず。おそらく羽田か中部あたりから出張してきているのでしょう。
清州行きの出発時刻は、ちょうど国内線の便がない時間帯。こうした臨時の対応も可能だったのだと思います。

「MATSUMOTO A.P.」の文字が入った出国スタンプをパスポートに押してもらって出国完了です。
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