※この旅行記は、2026年5月に訪れた際の記録です。
アンゴラでの3日間を終え、次の国へ向けて出発します。
午前6時、2泊過ごした宿を出て、Yangoで車を手配し空港へ向かいます。
早朝でしたが、車はすぐに見つかり、乗り込みました。
乗車してしばらくしてから、スマホのアプリで現在地を確認していると、どうも空港方面へ向かっていない様子。
昨日のラッシュを思い出し、「渋滞を避けて迂回しているのかな」くらいに考えていたのですが、しばらくすると、次第に様子がおかしいことに気づきます。
「まさかこのドライバー、旧空港に向かっているのでは?」
ルアンダには、2023年に開港した新空港「Dr.アントーニオ・アゴスチーニョ・ネート国際空港」と、それまで使われていた旧空港「クアトロ・デ・フェベレイロ空港」があります。
現在、旧空港は閉鎖され、旅客便はすべて新空港から発着しています。
ところが、ドライバーが向かっていたのは、もう利用できない旧空港でした。
ドライバーが「着いた」と言うので、アプリの画面を見せながら「指定した場所は新空港だから、そっちに行って」と伝えると、間違いに気づいたようで、今度は新空港へ向かい直してくれました。
多少時間はかかったものの、無事に空港へ到着。
旧空港に行ったことで料金で揉めるかと思っていましたが、Yangoアプリに表示されていた料金で済んだので、一安心です。

本日はアンゴラのナショナルキャリア、TAAGアンゴラ航空に搭乗し、南アフリカのヨハネスブルクへ向かいます。
空港ターミナルに入り、出発案内で搭乗予定の便を確認。
Cカウンターで搭乗手続きを行います。
今回はヨハネスブルクまでの片道利用なので、その先の経路も確認されるかなと思っていましたが、特に何も聞かれることはありませんでした。
搭乗券を受け取り、手続き完了です。


荷物を預けて身軽になったところで、到着時にも感じた「なんでこんなに広いんだ?」と思ってしまうほど広々とした空港内を、改めて見て回ることにしました。
まず最初に確認したのが、ルアンダ空港から出発する便の本数です。
利用した日の出発案内に表示されていたのは、国際線が11本、国内線が12本。
これだけを見ると、日本ならもっとコンパクトな空港になっているはずです。


では、なぜこれほど巨大な空港が造られたのでしょうか。
ルアンダの新空港「Dr.アントーニオ・アゴスチーニョ・ネート国際空港」について調べてみると、年間1,500万人の旅客処理能力を持つ巨大空港として建設されたことが分かります。
中国企業が建設を担い、中国側の資金や技術も投入された大型インフラプロジェクトで、「一帯一路」の協力案件の一つともされています。
31本のボーディング・ブリッジを備え、入国・出国審査のための設備も整えられています。
貨物についても年間13万トンの処理能力が想定されています。
さらにアンゴラ政府は将来的に、空港周辺を「特別経済区」とし、物流や産業、商業などを集めた「空港都市(エアポート・シティ)」を整備する計画も描いているようです。
ナショナルフラッグのTAAGアンゴラ航空も、これまでの単純な往復路線中心の運航から、この空港をハブとした乗り継ぎネットワークへの転換を進めています。
ヨーロッパや南米などとアフリカ各地を結ぶ乗り継ぎ拠点として、ルアンダを成長させる狙いがあるようです。
ただ、実際の利用状況を見ると、この巨大な空港との間には大きなギャップがあります。
2025年の年間利用者数は80万人未満ともされており、年間1,500万人という旅客処理能力と比べると、現在の利用規模はまだかなり小さいことが分かります。
また、ルアンダに就航していた主要な国際航空会社の中には、路線を休止・撤退する動きも出ています。
巨大な施設を維持していくためには、それなりのコストも必要になります。
アンゴラ政府としては、数十年先の需要を見据え、将来の経済発展を先取りする形で巨大なインフラを整備したということなのでしょう。
アフリカのドバイを目指しているのでしょうか。
ただ、実際に空港を歩いてみると、現状とのギャップはかなり大きく感じます。
この日の出発便は国際線と国内線を合わせても30本に満たないのに、ボーディング・ブリッジは31本。
さすがに「多すぎるのでは?」と思ってしまいます。
現状の利用規模からすると、あまりにも大きな施設に見えてしまうのが正直なところです。
海外メディアなどでは、十分な経済効果を生み出せないまま維持費だけが膨らむ「ホワイト・エレファント(白い象)」になる可能性を指摘する声もあります。
将来的にこの巨大な空港が、アンゴラの経済発展を支える拠点となるのか、それとも規模だけが先行したインフラになってしまうのでしょうか。
実際に空港内を歩いてみると、さっきチェックインを行ったカウンターも数はたくさんありますが、実際に稼働していたのは片手で数えられるほど。
出発エリアを見て回りましたが、入国時にも見かけた、SIMカードを購入したUNITELのショップがこちらにもあった程度で、カフェなどは見つけることができませんでした。
早めに空港へ到着したところで、時間をつぶせるようなお店はあまりなさそうです。


出発エリアを見て回ったので、アンゴラの出国手続きをすることにしました。
出国審査場は混雑しておらず、待ち時間を含めても10分ほどで手続きはすべて終了。
スタンプが押されたパスポートを受け取り、アンゴラを出国します。
朝食を取っていないので、いつもならプライオリティパスで利用できるラウンジに入って食事を取るところですが、この空港にはプライオリティパスで利用できるラウンジがありません。
出国審査場から搭乗ゲートへ向かう途中にラウンジの表示がありましたが、ドアには鍵がかかっていました。
どうやら現在は営業していないようです。

そのまま搭乗ゲートの近くまでやってくると、ようやく営業しているカフェを見つけました。
ここで軽く食事をとりながら、出発までの時間を過ごすことにします。
制限エリア内も出発エリア同様、お店の数は少なく、カフェもここぐらいしかなかったので、早く入っても出発まで時間を持て余すことになってしまいました。
空港内を歩いてみて、結局のところ、この空港が抱えている課題は「箱の大きさ」ではなく「中身」なのだと感じました。
巨大なターミナル、多数のボーディング・ブリッジ、広大な床面積。
ハード面は、十分すぎるほど整っています。
しかし、店舗の数も、稼働している設備も、その規模に見合うだけの中身が伴っていません。
このアンバランスが解消される日は、来るのでしょうか。

このアンバランスが解消される日は、来るのでしょうか。
そんなことを考えながら過ごしているうちに、搭乗時刻が近づいてきたので、搭乗ゲートのA05へ向かいます。
これから搭乗するのは、TAAGアンゴラ航空DT577便、ヨハネスブルク行きです。
ゲート前のモニターには「Embarque imediato(まもなく搭乗開始)」の表示が出ていました。
どうやら、もうすぐ搭乗が始まりそうです。
ヨハネスブルクへ向けて出発です。

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