未承認国家「アルツァフ共和国」が消滅へ、2019年のアルツァフ訪問を振り返ってみた

我らが山
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「アルツァフ共和国」は、アゼルバイジャンのナゴルノ・カラバフ地域にあり、このエリアに多く住んでいるアルメニア系住民が1990年代の第1次ナゴルノ・カラバフ戦争で勝利し、建国されました。
世界でこの国を承認している国は世界中に一つもないので、未承認国家と呼ばれていました。

2023年9月19日、アゼルバイジャンがアルツァフ共和国に対して攻撃を行い、アルツァフ共和国政府は翌日、武装解除に合意し、9月28日、アルツァフ共和国が「共和国の全ての行政機関を解散し、来年1月1日までに存在を停止する」との「大統領令」を発表し、アルツァフ共和国の消滅が決定しました。

2019年、アルツァフ共和国に行ってきました。
2020年の第2次ナゴルノ・カラバフ戦争が起こる直前だったわけで、その後、戦争やコロナなどで行くこと自体が難しくなってしまったので、アルツァフ共和国として、ぎりぎりで行くことが出来た場所になりました。
アルツァフ共和国では首都のステパナケルトとシュシーの2ヶ所に立ち寄りました。

アルメニアのゴリスからミニバスでアルツァフへ向かいました。
アルツァフとアルメニアの国境で掲げられていた、アルツァフとアルメニアの国旗。
アルメニアの傀儡国家と言われていたアルツァフ共和国、旗のデザインの配色はそっくりです。

首都ステパナケルトからバスで1時間程度の街、シュシーにある「聖ガザンチェットソッツ大聖堂」。
きれいな建物だったので、紛争後に建造されたっぽいです。
2020年の第2次ナゴルノ・カラバフ戦争で砲撃され、破損したとの報道もあるようです。

シュシーの街で見かけた戦争で破壊された住宅、廃墟となっていますが、通りに面したところは壁画が描かれているところもありました。

シュシーは2020年の第2次ナゴルノ・カラバフ戦争でアゼルバイジャン側が奪還し、アルメニア系住人が退去して、現在住んでいる人はほとんどいないようです。

首都ステパナケルトにある「我らが山」
ステパナケルト唯一の観光スポット。
三角が女性でのっぽが男性を表しているそうです。

首都ステパナケルトのアルツァフ共和国大統領府。
ぱっと見、地方の行政府の建物です。

シュシーの街でお祭りをしていたので、眺めているとお菓子のおすそ分けをいただきました。
暮らしている人は親切な人が多かった印象があります。
軍服姿の若者と一般の人々が輪になって楽しそうに踊っている様子は平和な光景でした。

シュシーの街で「写真撮って」、と言ってきた子供達。
元気なのかな。

現在は状況が変わりすぎているので、参考になりませんが、2024年1月1日で消える未承認国家がこんな場所だったんだという記録を少し書いてみました。

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